シェフ 山下徹二
多彩な経験が磨いた感性
北九州で生まれ育ち、大学進学を機に上京。
卒業後は外食産業の世界へと進み、フレンチ、イタリアン、和食をはじめ、多様な国と文化の料理を横断的に学んできた。
その歩みの中で育まれたのは、技法や流行にとらわれず、「食を通して人を幸せにする」という揺るぎない信念である。
料理の世界に身を置いて二十余年。
積み重ねた経験が、ジャンルを超えた自由な発想と、一皿に“情緒”を描く繊細な感性を培ってきた。
故郷で再発見した、土地の力
さまざまな土地での修業を経て、山下が最終的に帰り着いたのは、原点である北九州の地だった。
再び目の前に広がった自然の風景、清らかな水、そして地元の豊かな食材。その一つひとつが、彼の料理人としての感性を静かに揺り動かした。
「この土地には、飾らない美しさがある。」
そんな想いのもとに、フレンチの技法を軸としながらも、各国料理のエッセンスを織り交ぜ、素材本来の生命力を引き出すスタイルを確立。
土地の恵みと人の手のぬくもりが
調和する料理――
それが、彼が目指す「誉日」の味である。
一皿の先にある静かな幸福
「誉日」は、山下の集大成であり、食を通じて“人の心を満たす”という彼の信念が形になった場所でもある。
オープンキッチンを中心に据えたカウンタースタイルの隠れ家的な空間では、料理が生まれる瞬間の音や香りが、まるで一つの物語のように広がっていく。
その一皿を前にしたとき、訪れる人の表情がふとやわらぐ――その瞬間こそが、山下にとっての歓びだ。
華美な演出ではなく、静かに心を動かす料理を。
「誉日」という名のもと
“日常を誉れの日に変える”一皿を
山下は今日も生み出し続けている。